鯛と淡路島

献上鯛の歴史

豊富な食材に恵まれた淡路島は、古くより「御食国( みけつくに)」と呼ばれ、日本古代から平安時代まで朝廷に食材を納めてきました。
2021年秋に誕生した「淡路島えびす鯛」は、淡路島内の港で水揚げされた天然真鯛の総称。島の宿や飲食店では、「淡路島えびす鯛」を使った郷土料理や創作料理が味わえます。
島の鯛の歴史は「献上鯛」の話を外しては語れません。まず、古代から幕末の長い間、天皇の昼御膳は「鯛の塩焼き」であったといい、その鯛を献上していたのが、御食国・淡路島であると考えられています。そして、鯛漁で有名な南あわじ市の丸山漁港で、大正・昭和・平成・令和の4代にわたり、天皇陛下の即位時の大嘗祭などで「干鯛」を献上してきました。

丸山漁港で水揚げされる鯛が「献上鯛」たる理由は、世界三大潮流の一つ・鳴門海峡の渦潮で育った上質な鯛ゆえ。渦潮が海中に酸素を生み出し、漁場を豊かにしてくれます。また速い潮流の中で鯛が生息しているため運動量が多く、筋肉質で身が締まっており、その美味しさは、格別だといわれています。

恵みの海

「献上鯛」で有名な南あわじ市の丸山漁港はもちろんですが、北の岩屋から南の沼島まで島内17 の漁協すべてで鯛漁が行われ、淡路島全体が好漁場として知られています。それもそのはず、島の周辺は鳴門海峡、明石海峡、紀淡海峡の3つの海峡により、どこの漁場も潮の流れがよく、鯛のエサとなるエビやカニが多く生息しているそう。丸山漁港のある南あわじ漁協関係者によると、「エビやカニをエサに食べて育った鯛は、なぜかうまい」といい、よく肥えて脂の旨みも違うんだとか。 また、鯛漁が盛んな淡路島では鯛料理の種類が豊富で、伝統料理の「宝楽焼き」をはじめ、「鯛そうめん」や「活け造り」のほか、王道の「鯛めし」、「鯛しゃぶ」などが楽しめます。さらに、創作料理も誕生し、味わう楽しさが広がっています。

島とえびす

天然真鯛が「淡路島えびす鯛」と名付けられた理由は、淡路島に伝わる「えびす信仰」に答えがあります。
「国生み神話」が残る淡路島では、夫婦神・イザナギノミコトとイザナミノミコトが最初の子「蛭子(ひるこ<えびす>)神」を生んだ後に、淡路島をはじめ次々と日本の国土を生み出したと継承されています。そして「蛭子神」は、海においては航海・海上安全・大漁の神として、陸にあがっては五穀豊穣・商売繁盛・幸福を招き入れる神として島の人たちからの信仰を集めました。
国指定重要無形民俗文化財に指定される淡路島の「淡路人形浄瑠璃」も、こういった神事芸能から始まったといわれています。
今でも南あわじ市福良湾に浮かぶ島・洲崎の「洲崎蛭子神社」では、豊漁や航海安全の祈願のために、淡路人形浄瑠璃の戎舞が奉納されています。この戎舞は「淡路人形座」で上演される機会が多く、観劇して島の歴史に触れてみるのもおすすめです。

島の伝統鯛料理

昔から祝事などハレの日の料理として食べられてきた3つの伝統料理。見た目にもおめでたい姿のままの鯛を料理する豪快なものが多く、鯛の美味しさを丸ごと満喫できます。

島の王道鯛料理

淡路島で「鯛料理」といえば、多くの宿や店で用意する親しみのある料理たち。元々鯛漁が盛んな漁師町の家庭料理として食べられていたものが元になっており、料理のアレンジも多種多様。

淡路島えびす鯛グルメ

「淡路島えびす鯛」を使った個性豊かなグルメがラインナップ!
人気の定番料理をはじめ、創作和風料理や、パスタ、バーガーなど、充実のメニューがズラリ。

淡路島えびす鯛MAP